田川:今日は「イオンと健康」について先生にお話を伺いたいのですが、最近、「マイナスイオン」という言葉を至る所で耳にする一方で、案外「イオン」そのものの意味や効用を知らずにいる人は多いと思います。百科事典を引くと「イオン=電子を帯びた原子(原子団)」とありますが、まずは「イオン」とはどういったものなのか教えてください。
加藤先生:そうですね、もう少し説明すると、電気を電子、または原子団、電子にはプラスとマイナスがあって、電離作用によって正イオン、負イオンが生じます。この負イオンが我々人体において重要な意味を持ちます。因みに、負イオンはアルカリ性であり、正イオンは酸性であると考えていただきたい。つまり、イオンは我々の生活の中に沢山あるけれど、それを有効に使うにはそれなりの方法が必要だということです。


田川:ではなぜイオンが健康に結びつくのかを教えてください。
加藤先生:人間の身体は気の遠くなるような数の細胞から造られています。その数はおよそ60兆個といわれ、その細胞の間に神経や血管が網の目のように張り巡らされ、血液は細胞に栄養を送り込んでいます。その血管の長さはなんと9600キロにもなり、身体の隅々まで張り巡らされていて、地球を2周半も出来る長さと言われているんです。ところが、その長い血管が60兆個といわれる細胞ひとつひとつに栄養素を絶え間なく与え続けているのですから、その働きと労力想像を絶するものです。もし、血液の働きが鈍くなり、細胞に栄養素を与えることを怠ったら人間の身体はひとたまりもないということですね。
 そして、人体内部はマイナスイオンの荷電が多いのですが、これは酸素イオンを赤血球のヘモグロビンで結合しているため赤血球がマイナスに荷電すると考えられます。瀕死の重病人に輸血を行うときに、起死回生の効果があることを経験する医師は多いと思いますが、これは血液補給の効果ではなく、赤血球のイオンの作用なのです。保存血にはその効果は少ない。今でこそ血清肝炎の害が知れ渡ってきたのでその使用は減りましたが、そういう理由からも生血が良いのです。


田川:なるほど。それでは、体内でのイオンの作用について詳しく教えてください。
加藤先生:身体の健康は、体内のアルカリと酸のバランスによって左右されています。そして体内では生理作用によって常に酸性物質が作り出されている。これは食物が体内で分解されたときに出来るものです。それを中和させてバランスを保っているのがアルカリ性物質なのです。アルカリ性体質が良い体質であることは広く知られていることですよね。
 電気性を帯び活性化したイオンは、血液・細胞外液に含まれて恒常性を保ち、酸・アルカリのバランスを司る。そして、血液の流れを助け、各臓器はもとより体内を回り、老廃物や酸毒を中和、解毒して体外への排泄を助ける働きをしています。


田川:それでは、私たちの生活の中でどのくらいのマイナスイオン量が最適なのでしょうか?
加藤先生:オフィスや家庭内で不快感を何とはなしに感じたことは誰でも一度はあることだと思います。それはイオン欠乏空気の性であることはすでに学界でも証明されています。それより、仕事の効率を低下させ、更に呼吸器に重大な悪影響をあたえることさえあります。
 温泉療養はよく用いられていますが、温泉地の空気イオンは1,000〜3,000個/cc程度が存在し、イオン治療器の場合、20,000〜300,000個/cc30分間以内で治療しています。マイナスイオンについて注意したいのは、マイナスイオン化空気を室内に多量に放出し、長時間(例えば夜間寝室において一晩中放出)人体に作用せしめた場合、多量のイオン吸収で人体は疲労し不快感を催すということです。
 これらのことから一般的には良好な室内イオンとして1,000個/cc以下にすることが望ましいと言えます。

※ 上記の内容は、加藤敬二先生へのインタビューの一部を文章化したものです。

インタビュー後記
お会いする前に質問事項は用意していましたが、実際先生にお話を伺っていくうちに段々難しい理系の方向に。加藤先生は、国の公害問題の調査責任者をされるなど、様々な国家を挙げての空気イオン事業政策の中心にいらした方。豊富な知識の上に、沢山の文献や研究結果をご持参になる熱心なお姿から、まさに「空気イオン研究」が加藤先生の天職であることを感じました。更に、インタビュー前に先生のご著書を拝読してはいたものの、やはり知識不足の私にもかかわらず、判り易いようにと絵を交えご説明を下さる先生に感激いたしました。ご高齢になられた今でも、学会にご出席されたり、空気イオンに関する文献の執筆をされたりしていらっしゃるとのお話。バイオイオンのお客様からも度々加藤先生の講演を望むお便りを頂きますが、是非実現して頂きたいような貴重なお話でした。先生、ありがとうございました。
(インタビューア:田川ひとみ 2003年5月5日)



加藤敬二氏経歴


Copyright©2003 C.Link International LTD., All rights reserved


地球子供基金
BIO IONの売上金の
一部は地球子供基金
を通じて恵まれない
子供たちのために
役立てられています
・公式サイト・